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決算・財務情報
信託銀行の財務データの見方
決算短信およびディスクロージャー誌をごらんいただく際のご参考
1. 信託銀行のバランスシート
信託銀行の財務会計バランスシートには銀行勘定と信託勘定が存在します。銀行勘定のバランスシートは普通銀行と変わりませんが、信託勘定のバランスシートは信託銀行特有のものです。

信託勘定のうち貸付信託(貸信)と合同運用指定金銭信託(合同)には元本補填(ほてん)契約が付されており、預金保険の対象となっています。
貸信および合同は、元本補填契約により銀行勘定が偶発債務を負うという観点から、その元本から銀行勘定への貸出額(銀貸)を差し引いた金額についてのエクスポージャーを自己資本比率算定上のリスクアセットに算入しています。

貸信・合同の信託勘定は経理上分別管理されておりますが、管理会計上当社では、銀行勘定と貸信、合同を指して「3勘定」と呼び、この「3勘定」に係る事業を銀行事業と位置付け、収益、資産負債管理(ALM)、および貸出金の貸倒れリスクを統合管理しています。例えば、当社が公表している貸出金の預貸利鞘に「3勘定ベース」と但し書きがある場合は、銀行・貸信・合同の資産負債の合計で算出されています。

一方、信託勘定のうち、貸信・合同を除く信託商品には元本補填契約がなく、運用成果が受益者に帰属するため他人勘定と呼んでいます。
他人勘定には、信託銀行側に運用裁量権があるもの(年金信託・指定単独運用等)と運用裁量権がないもの(投資信託・特金・有価証券の信託などの証券管理サービス)に大別されます。
公表されている信託財産残高表には、貸信・合同と他人勘定をあわせた信託勘定全体の残高が示されています。
また、貸信と合同については、別途バランスシートを公表しております。(信託財産残高表、貸付信託、合同運用指定金銭信託につきましてはこちらをご覧ください) 

(銀行勘定・信託勘定の構成要素)

* 3勘定  銀行勘定
 貸信   信託勘定の一部
 合同 
銀行事業

信託勘定

運用裁量権あり
年金信託
指定単・指定金外信託
運用裁量権なし
特金・特金外(年金特金込)
証券投資信託
有価証券の信託
不動産事業(*)
証券代行業務(#)
 財管事業
* 土地信託、不動産信託は信託勘定。仲介業務の収益は銀行勘定に計上されます
# 証券代行業務の収益は銀行勘定に計上されます。
貸信と合同には運用損失発生の可能性に備えて、各々特別留保金と債権償却準備金が計上されています。
貸信の特別留保金は貸出金による損失等による元本の毀損リスクに備えた留保金であり、貸付信託法で詳細が規定されています。現在の積み立て水準は、政令により貸付信託報酬の25/1000以上40/1000以下を元本の5/1000を上限として積み立てることと定められています。
一方、合同における債権償却準備金は、貸付金等の残高に対して3/1000を引き当てています。
なお、貸信・合同における不良債権処理は個別債権の直接償却によって行います。

信託銀行のバランスシートには銀行勘定と信託勘定間の貸借を表す科目として、銀行勘定の負債側に計上される「信託勘定借(銀行勘定が信託勘定から借り入れている部分で、信託勘定から見れば、「銀行勘定貸し」)」があります。
なお、別途公表している貸信と合同のバランスシートの資産項目は「貸出金」「有価証券」「その他」に分類されておりますが、銀行勘定貸は「その他」に含まれております。

2. 信託銀行の損益計算書
信託銀行の損益計算書における主要な指標の構成要素は、下図の通りです
 信託報酬(貸信・合同の不良債権コスト差引き後)  
+資金運用収支+金銭の信託運用見合費用
+役務取引等支
+特定取引収支
+その他業務収支
 業務粗利益
-経費(除く臨時処理分)
-一般貸倒引当金準繰込額
 業務純益
 +信託勘定不良債権処理損失=信託勘定償却前業務純益
 +一般貸倒引当金純繰込額=修正業務純益
+臨時損益
   
 経常利益
+特別損益
   
 税引前当期利益
-法人税、住民税及び事業税
-法人税等調整額
   
 当期利益
その他
 修正業務粗利益=業務粗利益+信託勘定不良債権処理損失
 信託勘定償却前業務利益=業務純益+信託勘定不良債権処理損失
3. 信託銀行の収益構成〜信託報酬と役務取引等収支
信託銀行の損益計算書科目のうち特徴的なものは、「信託報酬」および「役務取引等収支」です。  財務会計上は信託契約に基づく報酬を信託報酬に計上し、一般の役務提供契約に基づく報酬・手数料を銀行勘定の役務取引等収支に計上しています。
信託報酬は、『貸信合同信託報酬』(管理会計上は銀行業務に帰属)と『その他の信託報酬』(管理会計上は財産管理業務に帰属)に大別されます。
後者には、年金・投資マネジメント、証券管理サービスのうち投資信託、特金など、信託契約に基づく資産流動化、また不動産のうち土地信託、不動産管理信託や信託契約に基づく不動産流動化等の各業務に係る信託報酬が含まれます。
一方、役務取引等収支には、証券管理サービスのうちカストディーフィー、証券代行業務報酬、不動産仲介手数料)信用保証料、外国為替関連手数料、SPC方式による資産流動化関連手数料等が含まれています。

信託報酬
 賃信合同信託報酬
 その他信託報酬
  年金・投資マネジメント
  信託契約に基づく資産流動化
  証券管理サービス(投資信託、特金など)
  不動産(土地信託)、不動産管理信託、信託契約に基づく不動産流動化

役務取引収支
 証券代行手数料
 不動産仲介手数料
 証券管理サービス(カストディーフィー等)
 その他の受入手数料(外国為替関連、SPC方式による資産流動化関連等)

なお、平成16年度中間期より、期間損益計算の一層の適正化を図るため、信託報酬及び再信託報酬のうち日々の受託資産残高を基礎として計算されるものにつき、従来の「信託計算期間終了時に計上」する方法から「信託計算期間の経過に応じて計上」する方法に変更いたしました。

4. 信託銀行の管理会計
前述のように信託銀行の財務データは財務会計上は銀行勘定と信託勘定とに分けられますが、管理会計上では業務の実質的性格から、当社では銀行業務と財産管理業務に大別しています。
一般に信託業務と呼ぶ場合、財務会計上は信託勘定にて経理されているが、管理会計上は銀行業務に含めている貸付信託、合同運用指定金銭信託(合同)が除かれている一方、証券代行業務や開発・不動産業務の一部は銀行勘定の役務取引等収支に経理されているが、その業務の性格上財産管理業務に含まれていることに留意が必要です。

当社では銀行業務を、リテール事業、ホールセール事業、マーケット資金事業に分類し、財産管理業務は、年金・投資マネージ、証券管理サービス、証券代行、不動産事業に分類し、事業毎の財務データを把握しています。

管理会計上の区分 財務会計上の区分
・銀行業務 うち貸信、合同は信託勘定
  リテール事業
  ホールセール事業
  マーケット資金事業
・財産管理業務
  年金、投資マネージ
  証券管理サービス 銀行勘定と信託勘定が混在
  証券代行
  不動産事業
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