| 年金運用に関する調査・研究/クォンツ・レポート | |
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年金研究センター 主任研究員 岡村 孝 |
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第1回:計量的信用リスク分析モデル 「セーフティ・ネット」 |
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超低金利が長引き、また一頃のような大型倒産の発生・金融システムの混乱が収まるにつれて、事業債投資への注目が強まっています。弊社も単純に金利の動きを予測して収益を上げるだけではなく、多種多様な観点から超過収益を獲得すべく事業債投資にいち早く着目してクレジットアナリストチームを組成する等運用体制を整備してまいりました。 事業債投資に最も重要なのは、事業債がデフォルトしたり、デフォルトしないまでも格下げにより時価が大きく下がってしまう「信用リスク」の評価・分析です。今回はその評価モデルとして弊社が独自開発した『セーフティ・ネット』についてご説明したいと思います。 信用リスクの評価は、財務比率分析をもとに債務返済能力の強弱を判断するものが最もオーソドックスで、財務データをもとに信用リスクを定量的に把握するモデルも多数作られています。このモデルはわかりやすい反面、決算期にしか新しいデータが入手できないので、デフォルト確率あるいは格下げの可能性をタイムリーに判定できない弱点があります。タイムリーな信用リスク評価を可能とするには、タイムリーに把握できるデータを利用する必要がありますが、この『セーフティ・ネット』では日次ベースで把握できる企業の株価を利用することでそれを可能としたことに特徴があるといえます。 企業のバランスシート上の資産、負債及び資本が時価で評価されている場合、通常の企業は下図左のように 資産=負債+資本 でバランスしていると考えられます。しかし、資産価額が大きく下がって負債の額を下回ってしまうと債務超過状態になります。 『セーフティ・ネット』では、日次ベースで「資産価値が負債価値以下になる確率(デフォルト確率)」を把握するために、株価を参考とした資産価値の変動性をオプション理論の利用により推計しております。日次ベースでデフォルト確率の動きを把握できることでタイムリーな信用リスク管理が可能となるわけです。 |
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この『セーフティ・ネット』による日次デフォルト確率の把握は銘柄選別等の投資判断において"アラーム"的機能を果たし、他の定量・定性アプローチと併用することで多面的な信用リスク管理、銘柄評価・分析に活用しております。事業債投資において企業の信用リスクをタイムリーにウォッチすることは非常に重要であり、『セーフティ・ネット』は新規設立の事業債ファンド運営において重要な役割を担っております。 |
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