年金研究センター

年金運用に関する調査・研究/クォンツ・レポート

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研究員 中島 秀文

第8回:イールドカーブ分析について(1)

 債券運用では、ファンドのデュレーションをどの程度の長さにするのかという設定と同様に、どの残存年数のウェイトを上げどの残存年数のウェイトを下げるか残存年数に沿ったポジションの設定も、パフォーマンスにとって重要となります。このようなポートフォリオの残存構成を決める元になる分析をイールドカーブ分析と言います。そこで、今回は米国および日本の実際のマーケットのイールドカーブの動向をご紹介し、次回ではイールドカーブの定量的な分析方法をご紹介します。
 下のグラフは、米国国債のスポットレートで示したイールドカーブの時系列推移です。@A98/12から99/12にかけて全般的に金利上昇した後、B00/6には逆イールドの形状になっています。この背景として、まずインフレリスクをコントロールするためにFRBが99/6から00/6まで6回に渡るFFレート誘導金利の引上げを実施した点があります。また、00/6の逆イールドは、財政好転による米財務省の30年国債買い戻し(バイバック、00/3から実施)や国債発行額の削減などが一つの要因となっています。
米国国債イールドカーブ

 一方日本では、98/12から99/12にかけて、@まず短期ゾーンの金利が下降してスティープニング化し、Aそれに続いて長期ゾーンの金利が下降しています。また、B00/6には短期ゾーンの金利が上昇傾向にあります。この背景には、99/2からの日銀のゼロ金利誘導、さらには、金融機関の貸出難による国債市場への資金流入増などがあります。また、00/6にはゼロ金利解除の思惑が市場に広がり、短期ゾーンを中心に金利上昇しています。
日本国債イールドカーブ

 このように、イールドカーブの変化要因としては、国債の需給要因、経済環境の変化等が上げられます。特に、中央銀行の金融政策のイールドカーブへの影響が大きく、政策変更の動向を十分注視していくことが重要です。現状の日本では日銀のゼロ金利政策の解除時期が注目されています。

(補足)米国国債バイバックの市場への影響は、FRBNY Economic Policy Review(April 2000)に詳しい論文があります。


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