年金研究センター

年金運用に関する調査・研究/クォンツ・レポート

年金研究センター
研究員 岩本 純一

第10回:イールドカーブ分析について(2)

 第8回のクォンツ・レポートでは、債券ポートフォリオの残存構成を決める元になるイールドカーブ分析のご紹介をしました。前回は日米のマーケットでの最近のイールドカーブ動向をご紹介しましたが、今回はイールドカーブの定量的な分析方法をご紹介します。
 債券の金利判断をポートフォリオに適用する方法としてはデュレーションが一般的ですが、これでは金利の水平な変化にしか対応出来ず、イールドカーブ全体の動きを捉えることはできません。そこでイールドカーブ全体の動きに対応する投資判断の例として、@金利判断に基づき決められたデュレーションのもとで、A中期ゾーンの膨らみ度合いを元にバーベル・ブレット・ポジションを判断していくことがあります。
 しかしながら、イールドカーブの動きを正確にトレースしていくにはこれだけでも不十分で、3成分による投資判断が必要であることが知られています。3成分とは、@金利水準の変化(水平成分)、A中期ゾーンの膨らみ度合い(膨らみ成分)、Bイールドカーブの傾き具合(傾き成分)のことです。@とAのみを考慮して投資判断した場合は、例え100%正確に予想できたとしても、期待した超過リターンを上げることができません。

イールドカーブ3成分イメージ

 イールドカーブを定量的に3成分に分けるには、2次曲線を適用したり、特定の関数(ネルソン・シーゲル関数等が知られています)を適用する方法が知られています。またイールドカーブ・リスクを3成分で管理する方法としては主成分分析を利用する方法もありますが、直接的に分かりづらいことが難点です。弊社ではイールドカーブ戦略の1つとして3成分を元にしたカーブ分析を行いつつ、リスク管理についてはより細かな年限毎のリスクを見ていくことにより、投資判断のポートフォリオへの正確な反映を心がけています。


年金研究センターTOPクォンツ・レポートTOP


Copyright (c) 2003. The Sumitomo Trust & Banking Co.,Ltd. All rights reserved.