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[産業界の動き]リース
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米国との比較からみた 日本のリース業界の課題 |
| 1.市場規模と業界構造 98年の米国のリース設備投資額は1,834億ドル(米国リース事業協会ELA推計値)に達し、92年以降7年連続のプラス成長を記録した。市場規模は世界最大で、大小合わせて2,000〜3,000社のリース会社があるといわれている。リース資産残高で企業属性別の市場占有率をみると、メーカー系の48%が最も大きく、独立系、銀行系、外国系が続く(グラフ)。米国のリース事業の嚆矢は、ユナイテッド・シュー・マシナリー社による製靴機械や、ベル社による電話機のリースといわれており、リーススキームが機器メーカーによる自社製品の販売促進手段として産業界に広まった経緯から、米国のリース市場はメーカー系リース会社がリードしている。 日本のリース市場は米国に次ぐ世界第2位の規模であるが、98年のリース設備投資額は民間設備投資の落込みから2年連続のマイナス成長となり、6兆3,150億円に止まった(日本リース事業協会)。リース資産残高でみた業界構造は、銀行系の41%が最も大きく、次いで独立系が続き、米国で最もシェアが大きいメーカー系は13%である。日本では銀行・商社など大資本の経営多角化の一環として参入してきた企業が多いため、メーカー系以外の市場占有率が高い。日米のリース市場の形成過程の違いが両国の業界構造の違いに現れている。 2.収益性と安全性 米国のリース業界の97年総資産経常利益率(以下ROA)は2.5%、自己資本比率は11.8%であり、非製造業全体のROA7.2%、自己資本比率35.3%と比較すると収益性は低く、財務の安定性は脆弱である。収益構造を契約規模別に分解すると、金利選好度合いが低くなる25,000ドル以下の小口案件と、専門性と資金調達力が要求される5百万ドル超の大口案件はROAが約2.9%と相対的に高く、参入が容易で激戦状態にある25,000〜250,000ドルの一般案件のROAは1.4%と低い。 日本のリース業界でも98/3期のROAは0.6%、自己資本比率は1.7%で、非製造業全体のROA1.5%、自己資本比率13.5%と比較すると、米国と同様に平均値を下回っている。日米ともに競争が激しく低収益体質になっていることがうかがえ、特に日本のリース業界は収益力向上が求められる。 3.貸倒発生状況 米国の98年の貸倒償却率(貸倒費用÷リース資産残高)は0.5%に止まり、景気が低迷していた91年の1.3%に比べ低水準にある。また、延滞債権に占める3ヶ月以上延滞債権の割合も0.8%と低い。中小企業向けが多い小口案件が市場全体の15〜20%まで拡大しているが、小口案件の増加は現状では貸倒・長期延滞の発生を増加させる要因にはなっていないようである。 日本のリース取引の貸倒状況を、機械類信用保険の運用実績から推し測ると、リース料不払いによる事故発生率(支払保険金等÷保険責任残高)は1%台前半で推移している。リース会社が保険をかけるリース契約は信用度の低いものが多く貸倒率が高めに出ている可能性があり単純比較はできないが、日本の貸倒率は米国の水準より幾分高いとみられる。日米の経済状況の違いが原因と考えられる。 4.日本のリース業界の課題 過剰な料率引下げ競争を避けるために一部の企業ではノンフルペイアウトのオペレーティングリースの割合を引上げる努力がなされているが、中古市場が未整備である上に、メンテナンスサービスが行なえないメーカー系以外のリース会社が多い日本では、オペレーティングリースの拡大には限界がある。既に成熟したリース市場の中にあって、日本のリース業界が米国を参考に収益力の向上を図るとすれば、相対的にROAが高い小口案件を効率的に積上げるか、リスクを取りつつも資金調達力と専門知識を発揮し大口案件に取組んでいくか、ということになろう。 今後小口案件が増加すると審査結果を数時間で求められるようになるため信用度スコア等の開発が必要になる。また大口案件については、米国で従業員のスキルアップに重点が置かれているように、特殊な物件でも価格査定や再販売ルートに精通した人材の確保が課題となろう。 (山田) |
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