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[産業界の動き]スーパー
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地域密着を指向する食品スーパー |
| 1.消費低迷と競争激化 98年度の食品スーパーの決算においては、新店の出店を加速して売上を伸ばしたスーパーが利益面で苦戦する一方、既存店の改装などの比重を高めたスーパーが減収ながら増益を記録するなど、「量」を追求するスーパーと「質」へのシフトを強めたスーパーとに二極化している。 近年スーパー業界では店舗の大型化や新規出店の加速により、売場面積の伸びが売上高の伸びを上回り続けており、店舗の販売効率が低下している。また、消費の低迷が長期化する中で、これまで堅調に推移してきた食料品の売上実績が99年1月以降連続して前年同月比を下回るなど、不況に強いと言われてきた食品スーパーも生き残りに向けた厳しい競争に晒されている。 2.大店立地法と加速する新規出店 2000年6月に現行の大規模小売店舗法(大店法)が廃止され、代わって大規模小売店舗立地法(大店立地法)が施行される。現行の大店法のもとで出店ができるのは2001年1月までで、その後は大店立地法のもとで出店が可能となる2002年前半まで約1年間出店が不可能になる。また、大店立地法では出店審査基準が従来の店舗面積、休業日数、営業時間、開店日といった経済的規制から、交通渋滞、騒音、ごみ処理など周辺の環境への影響を中心とした社会的規制に転換するとともに、法律の運用権限が国から都道府県に委譲される。 出店に際して地元商店街の発言がより強く働くようになり、人口の密集する市街地や住宅地への出店が難しくなる上、出店が認められたとしても駐車場の必要設置台数の大幅な引き上げや店舗周辺の安全管理、ごみ処理などの負担が増し、店舗採算が合いにくくなるとスーパー業界で はみており、現行大店法廃止前に駆け込み出店する動きが起きている。 過去にも79年に大店法の規制対象面積が500m2に引き下げられ、82年にその運用が強化された時期や、90年以降大店法が緩和された後にそれぞれスーパーの出店が加速した。しかし、いずれも大量出店の後には各スーパーの業績は悪化している。今後日本の小売業界は郊外型の大規模SCを展開する総合スーパーとこれに対抗する形で出店攻勢をかける地域スーパー、さらに外資をはじめとしたカテゴリーキラーなどの参入で売場面積はさらに拡大すると予想される。一方で消費の急速な回復は望みにくいことから、スーパーの経営は厳しさを増す可能性がある。 3.今後の課題と方策 大店立地法でも環境面での対応が求められているように、社会全体の環境意識の高まりとともに、スーパー業界も環境問題への取り組みを強化する必要が出てきた。リサイクルや包装の簡素化によるごみの減量化、リサイクル素材を使った商品の販売拡大など、従来の企業イメージ向上だけにとどまらない本格的な対応が求められており、新たなコスト負担を強いられることになる。 競争を勝ち抜くための投資やコスト負担が増加する一方で、有利子負債の削減や不採算店舗の閉鎖で経営の効率化を図る必要もあり、スーパー各社は今後難しい経営の舵取りを迫られる。 この中で食品スーパーは生鮮品売場や惣菜売場を拡大したり、インストア加工の比率を高めることにより鮮度の高い商品の提供に努めている。さらに店頭で消費者のニーズを細かく把握することで売れ残りによる値下げ・廃棄のロスや機会ロスを削減するなど生鮮品部門の強化を進めている。また、パート社員の報酬を店舗の業績に連動させたり、能力給を導入するなどしてインセンティブを高め、パート社員を通じて地域の消費者ニーズのより詳細な把握を図る動きや、単品毎に商品の動きを把握・分析するツールとして情報システム化を進める動きもある。 これらに共通しているのは地域に密着するという方向性であり、地域の消費者のニーズにあった品揃えと店舗作りを如何に効率よく進めるかが食品スーパーの生き残りの鍵を握っている。 (塙) |
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