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[産業界の動き]石油化学
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事業統合・再編進む |
| 1.需給動向 石油化学の代表的な基礎原料であるエチレンの生産量は、アジア向け輸出の増加等により99年1〜11月は前年同期比9%増の699万トンとなり、99年通年では760万トン前後と過去最高を記録する見込みである。 エチレン換算輸出は99年1〜10月で200万トン(年間換算240万トン)に達しており、通年で98年の196万トンを大きく上回る見通しである。 エチレン換算内需については、99年1〜10月実績は473万トンとなり、年間換算で567万トン程度(前年比2%増)と見込まれる。内需とエチレン設備能力約770万トンとのギャップ約200万トンを好調なアジア向け輸出がカバーしている形である。 輸出比率(エチレン換算輸出÷エチレン生産)は94年以降一貫して上昇傾向にあり、99年1〜10月では30%を超えている。輸出の中には稼働率確保のための低採算のものもかなりあるうえ、安定性に欠ける輸出市場への依存度が高まるのは業績面の不安定要因になるとの見方もある。 |
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2.業績動向 エチレンセンター11社の石油化学部門の98年度の売上高、経常利益は内需減退等による数量減と市況軟化により大幅減収となった。99年度上期については、売上高は汎用樹脂の内需が低水準で推移したこと等により前年同期比6.4%減となったが、汎用樹脂の値上げ等により経常利益は同84.8%増の277億円を計上した。 また、塩化ビニル樹脂製造12社の塩ビ樹脂部門の98年度売上は前期比17.8%減で148億円の経常赤字となった。99年度上期も国内市況低迷等により売上は前年同期比12.9%減となり、経常赤字86億円を計上しており、厳しい状況が続いている。 |
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3.事業再編の動向 汎用樹脂業界では94年以降事業統合・再編が進展しており、ポリエチレンは14社から10社へ、ポリプロピレンは14社から7社へ、ポリスチレンは9社から5社へ、塩化ビニル樹脂も15社から12社に統合、集約化されてきた。ただし、設備休止・廃棄についてはポリスチレン以外はこれまであまり進んでいなかった。 99年4月に入り、昭和電工が大分のエチレンプラント1系列(年産24万トン)を2000年6月に停止・廃棄することを発表した。続いて、三菱化学も99年秋の四日市のスチレンモノマー設備(同18万トン)停止、2000年末の四日市のエチレン設備(同27万トン)停止を発表するなど、需給ギャップ改善に向け従来聖域と言われたエチレン設備の停止・廃棄をも含む事業再編策が打ち出された。 また、塩化ビニル樹脂業界でも東ソー、トクヤマがそれぞれ大洋塩ビ、新第一塩ビを子会社化して再建を主導することとなり、新第一塩ビが2000年3月の水島の12万トン設備停止・廃棄を決定したほか、三菱化学と東亜合成が2000年4月に塩ビ樹脂事業を統合することを発表した。 4.今後の動向 すでに発表された事業集約化、設備停止・廃止が実施されれば、需給ギャップ縮小と価格交渉力向上により、エチレンセンター、塩ビ樹脂等業界各社の業績改善が期待される。 通産省による「世界の石油化学製品の今後の需給動向」(99年4月)によれば、アジア地域での設備新増設進展により、アジア地域の需要超過がかなり縮小するうえ、2003年にはアセアンが供給超過に転じると予想されている。さらに、2000年〜2001年にかけて中東地域で年産400万トンを上回るエチレン設備が完成する予定であり、アジア地域への製品流入と市況軟化が懸念されている。 2004年には輸入関税引下げも予定されており、我が国汎用樹脂メーカー各社は、今後も一層のコスト削減努力と輸入品に対する「水際競争力」強化を迫られる見通しである。三菱化学と鹿島石油のエチレン設備・製油所の共同運営の合意など従来の枠組を超えた合理化の動きや、世界最大のポリプロピレンメーカーのモンテル社と昭和電工の合弁事業のように、内外で外資との提携を図る動きも出てこよう。 (喜田) |