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[産業界の動き]生保業界
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活発化する業界の再編・集約化 |
| 1.厳しくなる業界環境 生命保険業界は、保有契約高の3年連続マイナス成長が避けられない状況にある。これは、長引く景気低迷による新規契約の伸び悩みに加え、97年4月の日産生命、99年6月の東邦生命、などの相次ぐ破綻に伴う顧客の生保会社に対する不安心理から、解約・失効が相次いでいる、と言ったことが直接的な要因である。 しかしながら、生保不振の長期化はもっと根深いように思われる。というのは、我が国では個人の生命保険への加入率が、簡易保険、JA共済などを含めると、95%前後に達しており、生保市場が既に成熟化していること、また、個人所得の伸び悩みの中で一世帯当りの年間払い込み保険料が、この10年間で1.5倍に増加するなど、家計の負担感が大きくなってきていること、さらに、我が国の少子高齢化社会の進展・人口の伸び悩みにつれ、新規保険加入者の増加に多くの期待がかけられなくなってきていること、といった構造的とも言える問題を抱えている。それだけに、国内の景気が多少回復しても明るさを取り戻せるかどうか予断を許さない。 |
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2. 最近の業況 このような環境下で、大手7社、中堅8社の主要15社の最近期の業況を見ると、契約高の伸び悩みに伴う保険料収入の減少、超低金利下での利息・配当収入などの資産運用収入が低下する一方で、各社とも職員、支社などの削減を中心としたリストラを通じて事業費の削減が進んでいることがわかる。ただ、経常利益の悪化を食い止めるため、99/3期決算では、有価証券の評価方法を低価法から原価法へ変更したり、将来の保険金支払資金である責任準備金を取崩すことによって穴埋めするなど、かなり無理をした決算を行なっているところも散見される。 生保会社の信用力を表す各種指標について見ると、保険金の支払い余力を示すソルベンシー・マージン比率は、各社とも下限とされる200%をクリアしているものの、長引く超低金利の影響で、契約当初の予定利率と実際の運用利回りとの間に大きな逆ザヤが生じており、また、有価証券の含み損益では株価が回復傾向にあるにもかかわらず赤字に転落しているところがあり、リスク管理債権引当率が低水準にとどまっているところが散見されるなど、経営体力の格差が一段と拡大方向にあることを見逃せない。 |
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3.活発化する再編成 昨年1月の太陽生命と大同生命、同12月の安田生命と富国生命などの包括的な提携等は、競争力の強化を目指そうとするものである。また、我が国が世界最大の生保市場であることに眼を着けている有力外資が、ここ1〜2年第百生命、日本団体生命、協栄生命などの中堅生保との間で合弁会社を設立、あるいは子会社化し、他方では、破綻した東邦生命、あおば生命(旧日産生命)などの買収を行なうなど、日本への上陸に極めて積極的な動きを見せている。 一方、自由化の影響も押し寄せている。96年の保険業法の改正に伴い、生損保の相互参入により、96年には損害保険会社11社が相次いで生保会社を設立し、まだ規模は小さいながら母体の信用力をバックに着実にシェアを伸ばしつつある。また、保険料・配当の自由化で昨年4月の新商品からは、それまでほゞ横並びであった各社の保険料に差が生じてきている。さらに、来年4月からは、取扱商品は限定的ながら銀行での窓口販売が解禁されるなど、自由化の進展で、生保業界の競争は激しくなる方向にある。 以上のような厳しい環境下にある生保業界にとって、今国会で成立が見込まれる保険業法の改正によって、相互会社の株式会社への転換が容易になることから、金融界の再編成とも相まって、生保会社の提携・買収が一段と進み、業界地図が大きく塗り変わる可能性もある。 (吉岡) |